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ブロックチェーンセキュリティ(BSEC)研究会

[趣旨]
ブロックチェーンとは,ブロックと呼ばれるデータの単位を一定時間毎に生成し,チェーンのように連結していくことにより,過去のデータの実行履歴を全て記録・公開する分散型台帳技術です.ブロックチェーンは,分散された計算機で構成されるP2Pネットワークで支えられており,信頼機関が不在のまま動作する自律分散型ネットワークのための重要な技術の一つとされています.暗号技術やネットワーク技術,データベース技術,ゲーム理論など,様々な技術を複雑に組み合わせた複合技術といえます.ブロックチェーンが最も成功した実例としては,BitcoinやEthereumなどの暗号通貨(暗号資産)が挙げられます.

ブロックチェーン技術を基盤としたシステムが真にセキュアになるためには,ブロックチェーンの解析研究だけでなく,サイバー攻撃対策の研究や暗号理論の研究との分野横断的な連携が極めて重要です.しかしながら,このようにブロックチェーンのセキュリティを核とした連携はまだ少ないのが現状です.

ブロックチェーンセキュリティ(BSEC)研究会は,サイバー攻撃対策と暗号技術の両面から、ブロックチェーンに対する統合的なセキュリティの研究を促進するための研究会として,2019年4月1日に設立されました.異なる研究分野の人達がお互いに意見交換を行い,ブロックチェーン技術を基盤とした真にセキュアなシステムの構築を目指すとともに,ブロックチェーンの真贋性を検証する研究会です.毎年9月に開催予定です.参加費は無料で,どなたでも自由に参加可能です.

第1回BSEC研究会

日時:2019年9月13日(金) 14時00分~17時30分
場所:筑波大学総合研究棟B0110公開講義室
参加費:無料
交通:関東鉄道バス:筑波大学中央行き又は筑波大学循環バス「第一エリア前」下車

プログラム:
講演1:14:00~14:30
講演者:面 和成(筑波大学)
演題:ブロックチェーンに関するセキュリティ研究活動
概要:ブロックチェーンは,暗号通貨だけでなくスマートコントラクトの利用でも注目されている.その一方で,ブロックチェーンのシステムとしてのセキュリティの不十分さが指摘されている.本発表では,BSEC研究会の趣旨を述べると共に,ブロックチェーンのセキュリティに関する最近の研究内容について,我々の研究活動を中心に概説する.

講演2(招待講演):14:30~15:20
講演者:小林 慎和(株式会社bajji ファウンダー兼代表取締役CEO,ビジネス・ブレークスルー大学准教授)
演題:ブロックチェーン・仮想通貨を活用したサービス展開におけるセキュリティ対策とサービスの現場から
概要:2016年から急速に注目を集めているブロックチェーン・仮想通貨。その中で、2016年6月に株式会社LastRootsを創業し、パブリックブロックチェーンの開発、マイニングコミュニティの拡大、ICOの実行、仮想通貨取引所の開発と運用、NEM流出事件以降のセキュリティ対策などを同社代表取締役としてこの3年事業展開してきました。現在はブロックチェーンを活用したSNSのbajjiを展開中。ブロックチェーン・仮想通貨のサービスを展開していく中で実際に直面した課題、セキュリティの問題を現場体験を踏まえてお話しします。

講演3:15:20~15:50
講演者:吉岡 克成(横浜国立大学)
演題:M-Sec:ブロックチェーンを利用したハイパーコネクテッドスマートシティの研究開発
概要:ブロックチェーン・IoT等を使用したハイパーコネクテッドスマートシティを実現するためのマルチレイヤセキュリティ技術を研究開発する日欧共同研究開発プロジェクトであるM-Secについて、藤沢市およびスペイン・サンタンデールにおいて準備が進む実証実験の内容と共に紹介する。

(休憩20分)

講演4(招待講演):16:10~17:00
講演者:藤本 真吾(株式会社富士通研究所 セキュリティ研究所 シニアリサーチャー)
演題:ブロックチェーンの特性を活かした応用事例の紹介
概要:ブロックチェーンにはさまざまな実装形態があり、その特性に応じた使い分けが必要となる。金融分野から拡がりつつあるブロックチェーンの技術動向を企業人の立場で整理しながら、ブロックチェーンの特性を踏まえた応用事例を紹介する。

講演5:17:00~17:30
講演者:江村 恵太(情報通信研究機構)
演題:Moneroで利用されているリング署名とその周辺技術
概要:署名者が匿名で署名を生成できる署名方式として, リング署名が知られている. リング署名では, 同じ署名者が複数個の署名を作成したとしても, 同じ署名者による署名か否かを判定することはできない強い匿名性を有する. その匿名性を弱めたLinkabkeリング署名が, 暗号通貨Moneroで用いられているRingCT (Ring Confidential Transactions) における二重支払い防止策として利用されている, 本講演では, Sunら (ESORICS 2017) によるRingCTの安全性要件を紹介するとともに, その周辺技術についても紹介する.

研究議論(関係者のみ):18:00~20:00

[委員]
面 和成(筑波大学)
吉岡 克成(横浜国立大学)
江村 恵太(情報通信研究機構)

本研究会の一部は,科学研究費補助金 基盤研究(B)「ブロックチェーンを基盤とする高信頼性を持った自律分散型監視技術」(19H04107) の助成を受けています.