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羽田野究室
Hatano Lab.

本研究室では 環境中の物質が長期的にどのように移動するか 放射性核種をトレーサーとしてモデル化します

ニュース

※ 過去のニュースを誤って削除してしまいました。2021年10月以降の主なものを掲載します

2022.8.2 日本アイソトープ協会 広報誌 Isotope News 8月号 掲載

2022.7.23 令和4年度  筑波大学公開講座 「原子力発電システムと放射線の基礎をまなぶ」放射線計測実習を担当しました。参加者の方々には「霧箱」という簡単な装置で放射線の 飛跡を観察しました。天然ウラン鉱石やモナズ石に実際に触れてもらったり、 ガイガー型計測器を使って身の回りの物質の放射能を測ったりしました。ご興味ある人は次回、どうぞご参加下さい

2022.7.12 第23回「環境放射能研究会」KEK Proceedings 受理されました (赤崎 健太郎, 羽田野 祐子, 末富 英一, 岡田 往子, 鈴木 究真, 渡辺 峻, 非整数階微分を用いた赤城大沼湖水中 Cs 濃度の時空間分布の再現)

2022.4.28 Radiation Protection Dosimetry誌に赤城大沼の論文がアクセプトされました (K. Akasaki et al., Modeling of temporal and vertical changes in Cs-137 concentration in Lake Onuma)

2022.3.1 赤崎健太郎さんが(社)日本原子力学会 関東甲信越支部 第15回学生研究発表会にて 奨励賞を受賞しました

2022.2.8 米国商業誌ディスカバーマガジン掲載

2021.11.3 アメリカ科学振興協会 EulekAlert!掲載

2021.10.22 日刊工業新聞(朝刊, 25面)掲載

2021.10.15 国立環境研究所 環境展望台ニュース

2021.10.15 つくば学園都市記者会 プレスリリース

2021.10.13 赤城大沼Cs-137長期予測 Sci.Rep.掲載

研究室説明会について

manabaを参照してください

研究内容

自然環境中における汚染物質の運命予測・移行現象の解明

 本研究室では自然環境中を汚染物質がどのように広がっていくかについて研究しています。

大気汚染や地下水汚染をはじめとする環境汚染の研究は 1950年代から盛んに行なわれており、 特に比較的狭い範囲での汚染物質の挙動については現在までにかなりの成功をおさめています。 しかし長期かつ広域にわたる汚染に関しては、観測データの不足からなかなか困難な面がありました。

 最近になって、環境汚染に関する広域・長期観測データが現われてくるにつれ従来のモデル ではうまく表せない未知の現象があることがわかってきました。
これらの現象は 通常の移流拡散方程式ではあまりうまく表せません。 そのためまったく新しいタイプの移流拡散方程式が提案され、実測データがより正確に再現されるようになってきました。

 さらに、このような新しい移流拡散方程式はフラクタルな性質を持っており、いろいろな 媒体に共通ではないかと予想されるようになってきました。
例えば、地下に埋設された有害物質が地下水に溶け出して広がっていく場合と、 地表に沈着した汚染物質が大気の運動により広がっていく場合とを見てみると、 前者では汚染媒体は地下水、後者では空気と、全く違います。 しかし汚染物質の広がり方の本質的な部分は非常に良く似ており、 上記の方程式などでのモデル化が有望と考えられています。 本研究室では以上のことをもとに長期・広域の汚染現象のモデル作りを進めています。

また、必要に応じて実験も行っています。

 

 

フラクタルの概念


フラクタルを一言で言い表せば「特徴的な長さが存在しない図形」ということが できます。特徴的長さとは、たとえば球を考えるならばその半径のように図形そのものに付 随する長さのうちの代表的なものを指します。自然界においてフラクタルは無数に発見でき ます。例えば海岸線などは典型的なフラクタルの例です。

 フラクタル図形は自然界だけに存在するのではなく人工的に作ることも可能です。 左の図はコッホ曲線と呼ばれている有名なフラクタル図形です。この図形の各所に全体の形 と完全に相似な部分を見いだすことができます。

 「特徴的長さがない」ということは「拡大しても縮小してもその図形の特徴が 変化しない」ということに置き換えることができます。当研究室ではこのことを利用し、工学でおなじみの無次元数(Re数, Pr数など)のように、フラクタルを応用した便利な道具を開発することを目標にしています。