セミナー


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2019年度 第1回 羽田野研セミナー

日時:9月30日(月曜日)

場所:総合B棟811室

タイトル:環境リスクの解析における相乗性雑音を有するフラクショナル確率複素ギンスブルグ・ランダウ方程式 と確率修正ホイン法による数値シミュレーション


筑波大学名誉教授    金野秀敏


アブストラクト

環境リスク解析に関連したモデルとし, 最近, Marten モデルを用いたTurbulent Dispersion の解析と応用が報告された (J.M. Lilly et al, Nonlinear Processes in Geophysics, 24 (2017) 481-514). 渦中心の2次元軌道が2次元Marten モデルを用いたほうが特性をよく表現するばかりでなく, Mandelbrot とVan Ness によるフラクショナル・ブラウン運動の拡張にもなっている. しかし, Marten モデルは非線形項を陽に含んでいないので適用範囲が限定的である. ここでは, Marten モデルのひとつの拡張として相乗性雑音を有するフラクショナル確率複素ギンスブルグ・ランダウ方程式を用いた解析を紹介する. 相関関数には長時間緩和項が出現するが, 連続固有値と離散固有値の寄与を分離して示すことができる. 確率ホイン法によるシミュレーションでも冪状緩和の存在を確認できる.

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2019年度 第2回 羽田野研セミナー

【日時】2019年10月15日 16:00-17:00

【場所】筑波大学総合研究棟B 701-1セミナー室

【講師】斎藤雅彦先生(神戸大学)

【講演題目】「不均一浸透場に対する自己相似型空間分布モデルの理論と応用」

【概要】

一般的な地下水・浸透流解析では,地質的に同一と見なされる地層に対する様々な水理パラメータ(透水性,保水性等に関するもの)は一定の値を持つもの,すなわち均一場として取り扱われますが,実際の浸透場は空間的に不均一です.不均一浸透場の性質を表現するモデルの一つとして,我々は自己相似型空間分布モデル(f - z 型モデル)を提案していますが,本セミナーでは,モデルの理論的背景およびその性質について解説しますとともに,いくつかの応用例をご紹介いたします.

【キーワード】

・不均一と不均質・ダルシー則と透水係数・REV・1次元不均一モデル・パワースペクトル

・自己相関関数・その他のモデル・応用例Ⅰ(流速分布)・応用例Ⅱ(巨視的分散長)・応用例Ⅲ(不飽和浸透とフィンガー流)