目標と進捗

准教授としての目標(2008年8月時点)

1.教育面での目標と計画

今後10年間に博士10名以上を輩出する.そのために,現在指導している学生のレベルアップを図るとともに,優秀な人材を集めること,ならびに受け入れるための環境づくりを進める.とくに,学内外から広く学生が集まってくるよう,研究室の魅力をさらに上げたい.どのような点に魅力を感じるかは,博士の学位を志す者,修士・学士を取得し社会に出ようとする者によって異なると考えられる.

博士を志す者に対しては,就学ならびに就職での支援を充実させたい.現在進行中の大学院GPやG-COEなどのようにRA/TAとして経済的支援を可能にするためのプログラムに積極的に関与・貢献することを重視し,個人レベルでも,外部資金を積極的に獲得してRAやポスドクでの雇用ができるように務める.

修士・学士を取得して社会で活躍しようと志す者に対しては,各自の個性に応じてきめ細かく対応していきたい.大学院でも,前期課程のレベルでは,個人によって能力の差は大きい場合がある.やや能力の劣ると思われる学生であっても,何らかの形で成長させ,また,成長できたことを実感した上で卒業させるようにしたい.そのために,これまでの指導経験の成功例・失敗例を整理するとともに,指導方法を改めて学び直し,体系的な指導を行うようにする. 学生を広く集めるために,学部レベルでの授業の改善を継続的に行うとともに,高校での模擬講義等,アウトリーチ活動も積極的に取り組み,社会貢献を果たしたい.

2.研究面での目標と計画

査読つき雑誌論文を,今後10年間に30編以上刊行する.一人でできることには限りがあるので,目標を達成するためには,学生を惹きつけるテーマを設定するとともに,研究者のコミュニティ,学生とのよい関係を保ち,切磋琢磨しながら研究活動を推進することを重視しなければならないと考えている.昨今は,プロジェクト型の研究も多く,必ずしもすべてが自由になるわけではないが,その中で主体性を発揮して,共同研究者,学生とともに楽しみながら研究に取り組むことを忘れないようにしたい.

私が専門とするヒューマンマシンシステムの信頼性と安全性は,時代によって重視すべきトピック,領域が変化する.現在は自動車の運転支援をメインに行っているが,以前は,航空機やプロセス制御系など,大規模システムが中心であった.今後数年は自動車が主たる対象であり続けると思われるが,いずれ異なる領域に目を向けるべき時期が来る.流行に乗ることを指向するのでは決してないが,魅力のある研究を続けるためには,社会の動向を注意深く観察し,取り組むべき課題が何であるかを正確にとらえることも重要である.この意味で,固執し過ぎないバランス感覚を持つこと,ならびに,どのような分野・領域に関わっても適用可能な,ヒューマンマシンシステムに関する理論体系をしっかりと構築していくことを大事にしていきたい.

ここまでの進捗(2011年3月末現在。准教授になって約2年半経過)

2011年3月に巨大な震災があった。以前と比べると、防災関係の分野を中心に学者の積極的な社会貢献が目立つ中で、一市民としてオロオロする以上のことを何もできていない自分が情けない。

いま自分がなすべきことは何か。それは人材育成しかない。復興には10年単位の年月を要するのではないかと思われるが、それに貢献できる人材を一人でも多く社会に対して供給することを通じて貢献ができればうれしい。

1. 教育面について

直接・間接に指導した博士のうち、学位を取得したのは1名。現在研究室には4名の博士課程の学生があるが、あらたな学生の入学はこの2年ほど滞っている。現状を打破しなければならない。

2. 研究面について

准教授へ昇進後、発表した学術雑誌論文は予定も含めて11編となった。順調といえば順調であるが、周りには1年間に10編を超える論文を発表する人もある。質も含め、一層の向上が必要である。

ここまでの進捗(2013年3月末現在。准教授になって約4年半経過)

あの震災からはや2年.過ぎてしまえばあっという間の2年であった.

1. 教育面について

直接・間接に指導した博士のうち、2012年度末に新たに2名学位を取得.通算では3名.2013年度に新規に2名の入学があり,喜ばしい.在学中の学生(現在4名)とあわせ,学位取得が滞りなく進むように努めたい.

2. 研究面について

准教授へ昇進後、発表した学術雑誌論文は予定も含めて26編となった。順調といえば順調であるが、英語での論文がまだ比較的少ない.海外での認知を高めることが今後の重要課題.ただし,科研費の申請の採択が滞っている.この状況の打破が必要.研究テーマとしては,ここには書けないがやりたいことがたくさんあり,アイデアもたくさんある.タカタ財団さまから助成をいただけることになったので,そこをがんばるとともに,さらなる発展を期する.