研究内容


人と高度技術と社会の調和を図るための理論体系を構築し,
人間の状態や行動を理解する技術に基づいて,あるべき支援を明確にすることを狙う.

設置の目的及び必要性

知能と自律性を備えた「賢い機械」の力を借りながら人がシステムを制御する形態は現代の社会ではいたるところに見ることができる。これらの賢い機械はシステムの安全性や効率を高め、人の負担軽減や快適性向上に寄与してきた。しかし、人と機械の意図の対立をはじめとする様々な「人と高度技術システムのミスマッチ」は、今までにない新しいタイプの事故をもたらしている。さらに、人が賢い機械を過信したり過度に依存したりすることも世界的な社会問題となりつつある。これらのことから、人と機械の共生・協調のあり方に関する新しいパラダイムが求められている。本リサーチユニットは、工学、心理学、法学の視点から高度技術システムと人の関わりを考察してきた世界トップレベルの研究者群により、「人間機械共生系」なる新学問領域を構築し、人と機械の権限と責任、状況適応的な人間中心の自動化などの根幹的課題に対する解決策を明らかにし、研究成果の世界レベルでの社会還元を目指す。

研究計画

  1. 学界・産業界への貢献
    人と知能機械の状況適応的共生を実現するための新しい基盤理論と基盤要素技術を開発し、国際・国内研究集会開催、国際雑誌特集号発行等を行う。
  2. 国への貢献
    国交省第5期先進安全自動車推進計画(平成23~27年度)(稲垣は副座長ならびに分科会長)、内閣府・経産省等による社会還元プロジェクト等に、人と機械の間での権限と責任の配分、状況適応的権限委譲機構設計、ヒューマンインタフェース設計に関する本リサーチユニットの研究成果を反映させる。
  3. 社会への貢献
    高度技術システムの導入が著しい交通移動体において、過信・過度の依存による安全性の低下が懸念されるなか、本リサーチユニットの研究成果をわかりやすく社会に伝えるために、一般の聴衆を対象とする講演会の開催、啓蒙的書籍の発行などを推進する。

研究・教育に期待される効果

  1. 新しい学問領域「人間機械共生系」の開拓により、世界の学界・産業界に対して研究開発指針を示すことができる。
  2. 「人間機械共生系」の視点は、実世界で必要となるさまざまな支援システム設計の根幹を成すものであり、大学院教育に組込むことにより、社会が求める人材育成に寄与することができる。実際、本リサーチユニットが提供する視点は、「人支援システムデザイン」学位プログラムを支える柱のひとつになる。
  3. 国交省自動車局などが「技術指針」等を策定する過程で本リサーチユニットの研究成果を反映させ、少子高齢化が一層進展していく社会において人と機械(高度技術)をいかに調和させていくべきかについての考え方を、行政当局に対して示すことができる。